2019-11-22
タイ・バンコクで開かれた「2019 eAsia Awards」のファイナルステージで21日、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)中央健康保険署が推進する医療情報のクラウド共有システム「健保医療資訊雲端e点通創新応用」が「デジタル・トランスフォーメーション:行政部門」で銀賞を獲得した。
「eAsia Awards」はAFACT(アジア太平洋貿易手続簡易化と電子ビジネス促進センター)が2年ごとに実施しているコンペティション。会員国及び地域による貿易手続簡易化方面での取り組み促進や、電子商取引に関する政策や実際の措置などによって、アジア太平地域におけるデジタルデバイドを解消するのが狙い。
現在、AFACTにはオーストラリア、日本、韓国、台湾、中国、インド、マレーシアなど20カ国・地域が参加している。今回のコンペティションのファイナリストには、台湾のほか、タイ、イラン、バングラディシュなど4カ国、11チームが進出。ほとんどは経済・貿易、金融システム分野のサービスで、行政部門の医療管理サービスで参加したチームは台湾の中央健康保険署だけだった。
台湾は2013年、医療情報をクラウドで共有するシステムを立ち上げた。初期段階は服薬に関する記録を検索できるだけだったが、現在では機能が12種類に増え、カルテの要約、検査結果レポート、手術に関する資料などを検索することが可能になっている。同時に衛生福利部疾病管制署(CDC)、衛生福利部国民健康署のデータベースともリンクさせることで、児童のワクチン接種記録や成人の健康診断に関する情報も検索することが可能となっている。
また、これまではセカンドオピニオンを求めて別の医療機関を受診する場合、これまで見てもらっていた医療機関でカルテの要約などの関連資料を請求する必要があったが、現在ではどこの医療機関で受診する場合も、医師が随時、クラウドを使って患者のデータを検索することが可能になっている。患者にとってはあちこち奔走する必要がなくなり、医師にとっては検査や投薬の重複を避けることができる。
台湾では医療情報のクラウド共有システムが確立されてからこの6年間で、医療従事者の86.8%が患者の診療や投薬を行う際、診療記録を検索し、医療の無駄を避けるようにしていると回答している。こうして回避された無駄は、投薬支出で74億台湾元(約263億日本円)、検査支出で26億台湾元(約92億日本円)に達している。
ドイツやイランからやってきた参加者は、台湾の医師が申告資料や医用画像を自らアップロードして共有するということを知って驚き、台湾の健康保険制度に深い印象を持ったと述べた。また、台湾が健康保険制度に関するデジタル医療技術をアジア太平洋諸国との医療介護政策の交流・協力の重点とし、医療分野における友好関係のネットワークを確立し、各国と実質的な協力関係を築き上げることができるよう期待すると述べた。
Sources:Taiwan Today;2019年11月22日
資料來源: 衛生福利部中央健康保険署
Juiker アプリ - 無料通話
一緒に Juiker しましょう