2019-11-05
電動自転車(電動アシスト自転車 E-BIKE)の登場は従来からの自転車運転者に恩恵をもたらしたほか、それまで自転車に接してこなかった人まで自転車に乗り始めるという効果を生んでいる。特に、「普通の自転車に乗るには力がやや足らない」といった中年や高齢者の中には電動自転車によって再び活動的な生活を取り戻す人もいる。また、自動車を運転してきたがとっさの反応が鈍くなったと心配している高齢者にも、新たな移動手段としてスポーツやレジャーの機能も備える電動自転車に乗り始める人がいるという。
ドイツ二輪産業協会(ZIV)の統計によれば、ドイツの自転車市場における電動自転車の販売シェアは23.5%。2018年には前年比36%増の100万台近くが売れた。今年上半期も前年比で37%の伸びを見せており、電動自転車がドイツで広く受け入れられていることが分かる。
一方、「自転車王国」とされる台湾の自転車産業は2015年をピークに、その後はシェアリングエコノミーによる影響で縮小に向かっていた。しかし昨年からは電動自転車の利用が急速に拡大。スポーツブームに加えて比較的高価な電動自転車がオートバイの市場まで一部奪っていることで、自転車全体では販売台数は減っても売り上げは増えるという状況に転じているのだという。
自転車の電動化と電子化はこれからも進化していくものと見られ、従来の駆動システムや電池技術から無線でのネット接続や、データの自動的なフィードバックなどへと全く新たな変革が起きていく。これらはいずれもICT(情報通信技術)のサプライチェーンで中心的な立場にある台湾の企業にとって新しいビジネスチャンスとなる。関係者は、中級から高級車種を生産する中で台湾製の部品を使わないことは難しいと指摘している。台湾における関連の企業は法人登記しているだけでも800社を超えており、特にフレームやチェーン、ライトなどが台湾の強み。大手チェーンメーカーの桂盟国際株式会社(KMC INTERNATIONAL INC.)にいたっては世界シェア80%以上で独占状態なのだという。
経済部(日本の経産省に相当)の統計によると、昨年の電動自転車の生産額は100億台湾元(約353億日本円)を超え、過去最高の109億2,900万台湾元(約386億日本円)に達した。前年比50.22%の急成長で、ドイツのボッシュ(BOSCH)、日本のヤマハ、パナソニックなどの国際的な大手企業が先を争って電動自転車市場を握ろうとしている。台湾の二大自転車メーカー、巨大機械工業株式会社(ジャイアント・マニュファクチャリング)と美利達工業株式会社(メリダ・インダストリー)も世界に拠点を広げ、その地位を固めようと努力、ジャイアントはオランダに物流センター、ハンガリーに新工場を建設した。一方メリダでもドイツで使われていなかった土地を活用し、電動自転車の生産ラインを新たに拡充している。
米国と中国大陸の貿易戦争が続く中、台湾の大手自転車メーカーは単価の高い電動自転車の生産を中国大陸から台湾へと移し、高品質の象徴である「メイド・イン・タイワン」の価値も加えた。その結果、台湾の電動自転車の今年第3四半期までの輸出額と輸出台数は並行して急増、いずれも前年比で2倍以上になっている。
ジャイアント・マニュファクチャリングとメリダ・インダストリー、桂盟国際など従来からの自転車及び部品メーカーが電動自転車の需要拡大がもたらす売り上げ増の恩恵にあずかっているほか、IT産業の新普科技株式会社(simplo Co., Ltd.)、達方電子株式会社(DARFON)、保鋭科技株式会社(ENERMAX)なども新たに電動自転車の分野に参入して徐々に実績を上げ始めており、競合相手の少ないブルー・オーシャン(未開拓市場)を切り開いているという。
資料來源: 外交部
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