2019-11-19
スイスの有力ビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)はこのほど、2019年IMD世界人材力ランキング(IMD World Talent Ranking 2019)を発表した。台湾は調査対象となった世界63カ国・地域のうち20位となった。昨年より7つ順位を上げ、2013年以来の最高となった。
アジアだけで見ると、台湾はシンガポール(世界10位)と香港(15位)を下回ったものの、マレーシア(22位)、韓国(33位)、日本(35位)を上回った。
世界63カ国・地域を対象とするこの人材ランキングは、「人材への投資と発展」、「人材を引き付ける魅力」、「人材のレディネス(準備度)」の3大ファクターと、その下に設けられた32項目の指標をもとに評価された。台湾は「人材への投資と発展」で24位、「人材を引き付ける魅力」で29位、「人材のレディネス」で12位だった。いずれも昨年と比べると1位、3位、15位の上昇となった。
合計32項目の指標を見ると、IMDは台湾の「強み」を、世界2位の「教育評価(PISA:学習到達度調査)」、3位の「理工系の卒業生が占める割合」、9位の「個人の所得税率」、6位の「衛生と健康インフラ」と指摘している。
今年の調査で台湾の全体順位は昨年に比べて7つと大きく上昇した。これは「人材への投資と発展」及び「人材を引き付ける魅力」で改善が見られたほか、最も大きな理由として「人材のレディネス(準備度)」の順位が大幅に上昇したことが挙げられる。
3つのファクターの一つである「人材のレディネス」は、その国の人材資源の充足度を評価するもの。その下に設けられた指標では、「教育評価」が昨年と同じ世界2位だったのを除き、「理工系の卒業生が占める割合」、「技術労働者」、「金融人材」、「経営陣の国際経験」などの順位がいずれも昨年を上回った。「理工系の卒業生が占める割合」は今年の調査で微修正が行われた項目で、科学、エンジニア、数学等の分野の卒業生が全体に占める比重を算出。台湾は33%で世界3位となった。これらはいずれも、マネジメント、外国語、国際経験などの方面で能力を持つ人材のレディネス(準備度)の上昇に貢献していると評価された。このほか、「人材のレディネス」の下に設けられた指標では、「高等教育における外国人留学生の流入」が世界13位に上昇した。これは政府が力を入れている「新南向政策(東南アジア、南アジア、オーストラリア、ニュージーランドを含む18カ国との関係強化を図る政策)」の成果を反映したもので、広く門戸を開いた留学生誘致戦略が効果を挙げていることが伺える。
一方、台湾の「弱み」は、「高度な技術を持つ外国人人材を引き付ける魅力」と「生活コスト」で、いずれも世界48位だった。また、「人材の流出」、「教師に対する生徒数」、「教育への公的投資がGDPに占める割合」などはいずれも世界46位。「米ドル換算した経営層の報酬」は世界25位だった。
台湾の弱みから見ると、台湾は「人材を引き付ける魅力」の全体的な順位は上昇しているものの、「米ドル換算した経営層の報酬」が世界25位にとどまるなど、報酬面でのインセンティブが弱いことが欠点となり、「高度な技術を持つ外国人人材を引き付ける魅力」が不足し、「生活コスト」が高いと感じられていることが分かる。
なお、「高度な技術を持つ外国人人材を引き付ける魅力」は世界63位中48位と、中間以下になっているものの、昨年に比べると7つ順位を上げている。これは専門性を持つ外国人の雇用について定めた「外国専業人材延攬及雇用法(=外国人雇用法)」の成立と、優秀な人材を引き留めるための政府の積極的な環境作りと関連措置が奏功した結果と言える。
国家発展委員会は優秀な外国人人材を台湾に引き付けるため、「外国専業人材延攬及雇用法」に基づき、「外国特定専業人才(特定の外国人専門人員)」と認定された外国人に「就業金卡(就業ゴールドカード)」を発行する制度を設けた。2018年2月からスタートした制度で、今年10月末までの時点で、すでに465枚を発行。申請状況も上々だ。
このほか、3大ファクターのうち「人材を引き付ける魅力」の下に設けられた指標では、「企業の従業員の士気」が昨年より8つ順位を上げた。昨年以降、「所得税法」、「産業創新条例」、「公司法」等の法令が相次いで改正され、税制の見直し、被雇用者に対する報酬の多様化などが実現し、人材を引き留める政策が強化されたことが要因と見られる。
資料來源: 外交部
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