2025-08-19
国家発展委員会の劉鏡清主任委員(左)は16日、地方創生に関する戦略的協力の機会を模索するため、代表団を率いて日本を訪問した。一行はまず、台湾とも長い関係のある石川県加賀市を訪問し、宮元陸市長(右から2人目)と会談を行った。(国家発展委員会)
加賀市の山代温泉通りにある私設図書館「おんせん図書館みかん」で行われている「一箱本棚オーナー」の取り組み。
国家発展委員会の劉鏡清主任委員は16日、地方創生に関する戦略的協力の機会を模索するため、代表団を率いて日本を訪問した。一行はまず、台湾とも長い関係のある石川県加賀市を訪問し、宮元陸市長と会談を行った。宮元市長は地方創生に積極的に取り組んでおり、その成果が認められて加賀市は2022年、長野県茅野市、岡山県吉備中央町と並び、日本で最初のデジタル田園健康特区に指定されている。
加賀市役所での意見交換では、山中温泉がアイスクリームで地域の活性化を図った事例が紹介された。加賀市によると、これは自転車店や米店など既存の店舗が、「二足のわらじ」方式で独自のアイスクリーム商品を開発・販売するというもので、その後、40店舗以上が軒を連ねる観光回廊が形成され、世界的テニス選手のフェデラー氏をはじめ国内外の多くの観光客を呼び込み、地域の活性化と発展につなげた。この手法は、台湾の国家発展委員会が推進する「地方創生廊帯(回廊)」に通じるものであり、例えば花蓮県新城郷ではレモンをテーマとした観光回廊を構築しており、野球の大会やマーケットイベントなどの開催時には、周辺の宿泊施設が満室になるなど地方の店舗に新たな商機を創出している。
また、加賀市の山代温泉通りにある私設図書館「おんせん図書館みかん」での取り組みも紹介された。ここでは本棚の一箱一箱を「一箱本棚オーナー」がプロデュースするという市民参加型の取り組みが進められている。特色ある図書と交流空間を創出することで、地域の住民や商店が参画できるコミュニティ形成の場となっている。さらに「かがやき塾」というユニークな教育プログラムでは、異なる世代や職種の人々と学生が交流し学び合う仕組みが整備されている。自治体の主導で始まったが、のちに「卒業生」による運営に移行することで、地方創生に良好な循環をもたらした。加賀市はまた、民間の財団が提供する「助成金」を活用して全国各地から若者を誘致し、起業を促すとともに、移住相談や支援を提供している。
劉主任委員も加賀市の宮元陸市長に、台湾における地方創生の取り組みについて紹介。国家発展委員会が台湾の12の省庁と連携し、今後国家発展基金やスタートアップ支援、デジタルノマド政策などと組み合わせることで、地方創生の推進力をさらに高めていくというビジョンを説明した。劉主任委員は、台湾と日本は長年にわたり友好関係にあり、かつ近い理念を持っていることから、今後も地方創生分野で連携を深めたいと伝えるとともに、地方創生を推進する加賀市の官民の代表を今後台湾に招き、台湾でその経験を共有してもらいたい考えを示した。国家発展委員会としても、加賀市のスタートアップと台湾の国家発展基金会のマッチングを手配し、台湾のより多くの若者が日本で地方創生の実務を学ぶ機会を広げていきたい考えだ。
資料來源: 国家発展委員会